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最終更新日 2006/02/19

 フィリピン<その4>

フィリピンぶらぶら4<ブスアンガ島>

雨季である。毎日、雨が降る。しかし、時には晴れ間ものぞく。海にいるなら降られてもかまわない。雨季だからこそ、乾季には観光客でいっぱいの島も穏やかな普段の風景だけを見せる。雨季のフィリピンも悪くはない。

ブスアンガ島はパラワン島北部のカラミアン諸島にある。マニラから1時間ほどのフライトでブスアンガ島デカラチャオ(往復エイジアン・スピリット社P3800+マニラ国内線空港使用税P100+ブスアンガ空港使用税P10)まで飛び、空港からジプニー(P150)で1時間ほどで島で一番大きな町コロンヘ。

 

かつてはジュゴンも売られていた?コロンの市場

ブスアンガにはジュゴンを見に来た。着いてさっそく聞きこみ開始。長期滞在中のフランス人曰く、「パラワン本島の北部にならいるだろう」。地元の猟師は「見たことない」と首を横に振った。動きの鈍いジュゴンはかつて食べられていたため、フィリピンの大部分が生息域であるにも関わらず、激減してしまった。遭遇できるのではないかという淡い期待は、あっさり裏切られてしまった。もしかしたら、いまだに食材として市場で売られているかもしれないとも思ったが、さすがにそれはなかった。ジュゴンどころか、海が時化ていて揚がっている魚の種類も量も少ないほどだった。以前、どこかの南の島の海岸にジュゴンが子供たちと一緒に遊びにやってくるのをテレビで見たことがある。残念ながらそれがどこなのかは覚えていないのだが、それがフィリピンのどこかの島であっても不思議はない。ブスアンガの周辺ではもう見られないのかもしれないが、フィリピンにある7109の島のうちの、さらには人が住む1000ほどの島のうちのどこかにある風景なのに違いない。

 

どこでも子供がいっぱい 洗濯物がいっぱい干してある 水上住宅とバンカーボート

フィリピンはどこにいっても子供がいっぱいいて、家の軒先には洗濯物がわんさか干してある。ボラカイでは見なかった水上住宅がこの島では当たり前。廃水も糞尿もごみも垂れ流しで家の周りは海がにごっている。そんな水上住宅のひとつの屋根の上にスピーカーがついていて、日に五回、礼拝の時間を知らせるアザーンが海に向かって鳴り響く。夕暮れ時にアザーンが響き渡るとムスリムでもないのに、一日の終わりをいつもよりもはるかに感慨深く感じる。意味はわからなくとも、アザーンの響きはなんとなく好きなのだ。ムスリムはミンダナオやパラワン南部に多いが、他に移り住んだ者もいる。ブスアンガでは小さな島に似つかわしくないほど、さまざまな言葉が話されている。

 

表面には血管が走っている 7日目の中身 

フィリピンどこでも売られているバロットをついにブスアンガで食べた。1つP10。バロットとは羽化しかけのアヒルの卵を茹でたもの。すでにくちばしが固まっていたりなんかしたら、とても耐えられそうにないので、産卵後7日目にしておいた。つわものは14日目とか、もうほとんどヒヨコになっているのを食べるのである。夕方になると屋台が出たり、売り子が呼び歩いたりするから、きっと精力剤として捉えられているのだろう。泊まってたホテルのおかまのおにいちゃんがお皿を貸してくれながら、「それがなんだか知ってるの?」とうれしそうに訊いてきた。それほど、フィリピン人でもバロットが苦手な人が多い。まず卵を割って汁をすする。ヒヨコのなりかけを包む白身は、かたくなりかけた餅みたいな食感。その表面は黒い血管に覆われている。食べ進むとついに本体が現われる。7日目はまだヒヨコというよりも肉塊であるため、それほどの罪悪感は感じずにすむ。すでに柔らかい小さな羽や軟骨もできているのだが、思ったほど邪魔にはならない。話の種にはなるがさほどうまいものではないので、もう二度と食べない。フィリピンでは羽化直前のひなを卵から出したとおぼしき、串焼きもよく見かける。せめて卵から出てくるまで食べるのは待ったれよと思う。

 

コロン湾

ブスアンガはレック(沈船)ダイブで有名な島。太平洋戦争中の1944年9月、このあたりの海域で激戦があったらしく、”あきつしま”、”こぎょう”、”たいえいまる”、”いらこ”、”なんしん”などの日本軍の船を含む、たくさんの船が沈んでいる。ブスアンガの海はあまりシュノーケリング向きではない。バンカーボートを1日チャーター(P700)して、沖合いのコーラルに出たが、死んだ珊瑚が多かった。天気が悪く、波が高かったせいもあって魚が少なく、わずか3時間ほどかけて3ヶ所周っただけで引きあげてきた。それでも、くらげや透明な魚の卵、イカの群れを見られたのはうれしかった。最後に行ったポイントはコーラルの少し先がいきなりドロップオフになっていて、底をのぞきこむとグランブルーが広がっていた。その深い青は、思わず吸いこまれてしまいそうなほどにいつも美しい。毎度、この青を畏怖するために海に出るのだ。

 

マキニット温泉

コロンの町からトライシクルで15分(1人P10〜15)ほど行くと海岸に露天風呂がある。このマキニット温泉(P30)は40度の海水。天気のよい日は、日陰があまりないので暑い。22時半まで営業しているので乾季は夕方から行くべし。フィリピン人、特に女性には水着を着る習慣がない。だからみんな、来たときの服のまま入って、濡れたまま帰っていく。家にいるみたいに服を着て温泉に入っている家族連れは、なんだか微笑ましくて思わず笑ってしまう。温泉の海水は息を吸うと身体がぷかーっと浮くほど塩分が濃い。あがった直後は肌が少しべたべたするが、しばらく経つとしっとりつるつるになる。

カラミアン諸島ブスアンガ島周辺には、マルコス大統領が金に物言わせてアフリカから連れてきたキリンやシマウマを放し飼いにしているカラウィット島、島を買い取ったドイツ人が島民全員を追い出してつくった高級リゾートのあるディマクヤ島がある。

 

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