最終更新日 2003/08/06
ペルー<その4>
ペルーぶらぶら2<クスコとその近郊>
プーノからバスで7時間(サン・ルイス社・シスネス社・ともにs/.10)。クスコに着いたとき、旅に出てもうじき1年が経とうとしていた。7月末にブエノス・アイレスを出た後は移動続きでかなり疲れがたまっていたこともあって、結局ここには40日もいた。”へそ”を意味する名を持ち、かつてインカ帝国の都だったクスコはマチュピチュへの拠点でもあり、ペルーを代表する一大観光地である。中米グアテマラ・アンティグア同様、コロニアル様式で石畳の街並みは美しく、日本人宿、日本食レストラン、日本語の読み書きのできるインターネット屋、スペイン語学校と長期旅行者の沈没要素がすべてそろっている。
マンコ・カパックがおでむかえ 街を見守る白いキリスト像 リャマの形をしているクスコ
クイをかこんだ最後の晩餐の絵があるカテドラル
ラ・コンパーニャ・ヘスス教会
クスコは標高3360メートル。山岳地帯に属し、夜はけっこう冷えこむ。今年の雨季は雨が少なくて助かった。クスコは聖なる谷の中心にあり、インカの歴史の舞台となった遺跡や村が多く、みどころだらけなのだ。もちろん、街中にもスペインが残したカトリック教会や邸宅が多くある。10日間有効で10ドル(2002年10月当時、s/.36。29歳以下で国際学生証を持っているなら学割5ドル)の共通券があり、サクサイワマン・ケンコー・プカプカラ・タンボマチャイ・ピキリャクタ・ティポン・オリャンタイタンボ・ピサック・チンチェーロの9つの遺跡、宗教芸術・サンタ・カタリナ・市庁舎・コリカンチャ・宗教歴史の5つの博物館、カテドラル・サン・ブラスの2つの教会の計16ヶ所が見られる。2ヶ所見れば元はとれる。毎年太陽の祭インティライミの舞台となるサクサイワマンからクスコはリャマの形に見えるという。オリャンタイタンボは遺跡自体がリャマの形に、ピサックは羽を休めているコンドルの形に造られている。オリャンタイタンボに関しては6月21日のインカの元旦にリャマの目にあたる部分に光が入るという凝りようである。ピキリャクタ(蚤の集落の意)はプレ・インカ時代ワリ文化の遺跡だが、共通券で入れるそれ以外の遺跡はすべてインカのものだ。
サン・ブラス教会
サント・ドミンゴ教会
カテドラルにかけられている”最後の晩餐”は必見。キリストとその弟子がかこむテーブルの上にあるのは食用モルモット、クイなのだ。カテドラルはインカのビラコチャ神殿の跡に建てられている。サント・ドミンゴ教会はコリカンチャ(黄金のあるところの意)という太陽の神殿をぶっ壊してその土台の上にスペイン人が建てたもの。チンチェーロ遺跡もぶっ壊した石材で教会を造り、残っているのは土台だけだ。撮影禁止なのでお見せできないのが残念だが、サン・ブラス教会の説教壇は精巧で細かな彫刻が施されていてとてもきれい。かなり大きなものなのだが、一箇所も継ぐことなく一本の木でできているそうだ。
12角の石
サンタ・クララ門
インカの石組技術の精巧さを後世に伝える12角の石は観光客と物売りが群がっているときはすぐわかるが、そうでなければうっかり見過ごしがちだ。別に12角形をしているわけでもないし、実は他に14、15角の石もあるのになぜこの石だけこんなに有名になってしまったのだろう。
サンタ・クララ門をくぐるとすぐに中央市場。みやげものから食用とおぼしき蚕の蛹までなんでも売っている。この界隈では定食の相場はs/.1.50と安い。しかし、この庶民の台所はけっこう危ない。リュックやバッグを持っているとあっというまに集団に囲まれてすられてしまう。しかも、スリ集団は子供をおぶっている先住民のおばちゃんだから始末が悪い。買い物するならバスターミナル近くのエル・モリーノがなんでも安い。特に電化製品、パソコン周辺機器、菓子、たばこが安く、まとめ買いすると値切りやすい。
クスコの街並み
ペルーでは黄熱病の注射が無料で受けられる。とはいえ、くれるのはインターナショナルなイエローカードではなく、スペイン語表記の証明書らしい。少なくともスペイン語圏では有効だろうからとりあえず受けておくかとクスコで受けられる病院を探してみた。結局、タイミングが悪くて受けられなかったのだが、アントニオ・ロレーナ病院で毎月最終火曜日の朝9時に一番受けられる可能性が高いことがわかった。黄熱病の注射は生ワクチンなのでいったん開封すると1時間しか持たない。おまけに1本が50人分と多いため、30人以上まとまった人数が集まらないと無料では打ってくれないのだ。(2003年8月現在、s/.5で一定の曜日に受けられます)
クスコは祭が多いところでしょっちゅう花火があがっている。しょっちゅう山車も出ていて、たくさんの人が踊っている。そのわりにはなんの祭なのか、誰に訊いてみてもはっきりした答えが返ってきたためしがない。要するにたいした理由なんかないのだ。いちいちちゃんとした理由があるなら、こんなに祭が多いわけがない。
しょっちゅう理由をでっちあげては祭をやっているクスコ
世界遺産のフレスコ教会
内部は撮影禁止
アンダワイリャス峡谷
クスコからウルコス行きコレクティーボで1時間行くとアンダワイリャス峡谷の中にアンダワイリャスという村がある。この村のみどころは内部にびっしりとフレスコ画が描かれた教会(入場料s/.3)である。かなり傷んではいるが味のあるひなびた教会で、あまり知られていないが世界遺産に指定されている。これも撮影禁止なのでお見せできないのが残念だが、ここのフレスコ画は一見の価値あり。正面にある祭壇の左側にペルーの民族衣装を着たキリストが祭られているのが珍しく、クスコのカテドラルにかけられた”最後の晩餐”のクイと同じく、この地におけるカトリックの習合主義を感じさせる。