最終更新日 2003/04/14

 ペルー<その2>

インカグルメ

調理前 調理後

インカのごちそうといえば、クイ(食用モルモット)。クスコのカテドラルに掛けられている”最後の晩餐”のテーブルの上にのっているのもクイ。キリストとその弟子がクイを食べたとは思えないが、いかにもスペインがもたらしたものと土着のものとの習合主義的で面白い。さて、そのクイが名物なのはクスコ近郊のティポンという村。ティポンの飲食店はすべてCUYERIA(クイ屋)であり、どこでもクイの丸焼きに茹でたじゃがいもとパスタ、ロコト・レジェーノ(肉厚の唐辛子に具をつめた料理)がついてs/.15。内臓を抜いた腹に香草をつめて、長い時間をかけて窯で焼く。店の人に頼むとなたで切り分けてくれる。皮が硬く、肉が少ないが、股はぷりぷりしてうまい。丸焼きとはいえ、所詮は小さなモルモット。つけあわせもしっかり食べて、やっと満腹になるといった感じ。毛をむしられたモルモットは尻尾のないネズミである。これはモルモットをペットとして飼っている人にはとても食べられない料理だろう。

もうひとつクスコ近郊の村サイジャの名物はチチャロン。チチャロンとは豚のスペアリブを皮ごと、鍋で水分がなくなるまで長時間茹で、浮き出てきた油でさらに煮続けた(つまり揚げたことになる。)料理。フライドポテトとモテというとうもろこしの粒、サラダがついてs/.5。豚皮の揚げたやつも店先で売っていて、えびせんのようにカリカリしておいしい。チチャロンで中ることはまずないが、おいしいけれどかなり油っこいのでけっこう胃にもたれる。

 

じゃがいもとゆで卵の朝ごはん
右の灰色のがチューニョ
中央とその左がチューニョ

左はボリビアのスクレで食べた、茹でたじゃがいもとゆで卵に辛いソースをかけた朝ごはん(Bs.1)だがペルーでも同じものを食べる。アンデスはじゃがいもがおいしくて、種類も多い。じゃがいもを乾燥させて保存食にしたものをチューニョという。じゃがいもを野ざらしにしておくと夜は霜で凍り、昼は日差しが当たって解ける。それを数日繰り返して、足で踏んづけて脱水し、石のように乾燥させるとチューニョのできあがり。また、夜霜で凍らせたじゃがいもを昼はポンチョなどで覆って日に当てずに、夜また霜にさらす。一週間以上それを繰り返して、水に二週間ほど浸してから乾燥させたものを白チューニョ(モラヤ)という。チューニョの食感は火の通り切っていないガジガジの大根のようで味はあまりない。ちゃんと水で戻して料理してチーズをかけたらおいしいらしいが、普通の食堂で定食のつけあわせとして出てくるようなものはそんなにうまいものではない。

 

鱒を使った丼

ティティカカ湖で獲れる(トルーチャ)には寄生虫がいないので生食しても大丈夫なのだが、ペルー人は当然のようにフライにしてしまう。ボリビアやペルーの日本食レストランでは、鱒をつかった寿司や丼が食べられ、なかなかおいしい。鱒の肉は鮭のように赤い色をしているがこれは餌によって濃くなったり薄くなったりするそうだ。ボリビアのラ・パスでは鱒の握り寿司、ペルーのクスコでは寿司飯にアボガドスライス、その上に鱒をのせ、さらにきざみ海苔をかけた丼を食べたがどちらもとてもおいしかった。

 

 

いずれも名前は不明

ペルー北部、飛行機と船でしかたどりつけない陸の孤島イキトスはペルーというよりもアマゾンのジャングルのどまんなかにある、どこか別の国という感じ。19世紀末の天然ゴムラッシュで一気に大きくなったイキトスまではさすがにインカの勢力も及ばなかった。街の雰囲気はまるで東南アジアで人種的にも肌の色が濃く、混血の進んでいるブラジルに近い。ペルーは海岸・山岳・森林地域からなり、森林地域の最たるイキトスには他地域にはない果物がたくさんある。一番おいしかったのは左の果物。一見ぶどうの巨峰のようだがマンゴスチンやライチーに近い味。腐りやすいので紐をかけて吊るしておくとよいようだ。一房s/.0.50と安くてうまい。

そのほか珍しい果物といえば、パカイ。これはペルー・ボリビアのいたるところで見かけた。果物というよりも豆なのだが豆そのものではなく、それをくるんでいる甘い綿をしゃぶる。ペルーのパカイはさやが子供の腕ほどもあってばかでかいが、ボリビアのは指よりひとまわり大きい程度。パカイをかたどったモチェ文化の土器も出土しているほど、古くからこの地域になじんでいる。甘味はそんなに強くないが、長距離バスに乗っているとき、口寂しさを紛らわすにはちょうどよかった。しかし、まったく腹の足しにはならない。

 

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