最終更新日 2002/08/02
グアテマラ<その4>
サンシモンにおねがい
グアテマラ三大サンシモン総本山は、サンアンドレス・イサパ、サンチャゴ・アティトラン、スニルである。サンシモンとはマシモンとも呼ばれる民間信仰だ。サンシモン像には酒をかけたり飲ませたり、ふかした葉巻やたばこをくわえさせたりする。自らも葉巻やたばこを吸いながら、ろうそくを灯して祈る。ろうそくの色はねがいごとの内容によって選ぶ。たとえば、赤は恋愛、青は仕事、水色は学業、ピンクは健康など。黒は気に入らない人に災いをもたらすとされる。
サンチャゴ・アティトランはかなり観光化されていると聞いたため、行かなかった。最もご利益がありそうなのはグアテマラ・シティやアンティグアからも近いサンアンドレス・イサパ。一歩踏み入れると空気ががらっと変わる異空間だ。
★サンアンドレス・イサパ
バスでまずチマルテナンゴまで行って、サンアンドレス・イサパ行きに乗りかえる。サンアンドレス・イサパにはサンシモンの館以外は何もない。小さい町なので館はすぐにわかる。館の周りでは祈祷用の香草やろうそく、お守りなどが売られている。門をくぐると建物の前で祈りに使われたろうそくや葉巻などを焼却している。建物の外観はちょっと派手だが特に変わったところはない。しかし、一歩中に踏み入れるとそこには異様な雰囲気が待ちうけている。
正面にサンシモンが奉られており、祈祷に使うものを手にした人々が長い列をつくっている。明かりらしい明かりはなく、ろうそくの炎だけが屋内を照らしている。しかし、隅々まで明かりが届かないので天井近くや隅は暗く、言い知れない圧迫感がある。特に天井は煤け、星のない夜空のように真っ暗だ。みな、さまざまな色のろうそくの前で一心不乱に祈っている。
祭壇の前には祈祷師がおり、渡された酒を信者の全身に吹きつける。(ちなみにこの祈祷に使う酒は普通のスーパーなどでも売られている一番安いもの。飲んだら目がつぶれるのではないかと思うほどメチルアルコールっぽい。)賽銭をサンシモンの胸元にあげ、祈祷が始まる。まず正面に、そして側面と背面に酒を吹きつけ、サンシモンのひざにかかったタオルにも振りかける。タオルにしみた酒を絞って、顔や頭に振りかける。最後は、サンシモンに尻を向けないように後向きで立ち去る。祭壇から下りるとろうそくに火を灯して祈る。壁には願いのかなった人々からのサンシモンへの感謝を刻んだプレートがびっちり貼られている。
サンアンドレス・イサパのサンシモンの館
サンアンドレス・イサパのサンシモン
ろうそくを立てて必死で祈願
★スニル
ケツァールテナンゴからスニル行きのバスに乗る。サンアンドレス・イサパに比べてずいぶん観光化している。イサパでは基本的に賽銭だけ払えばよいが、スニルは祈祷代30Q、撮影料も5Qいる。イサパの祈祷師はプロフェッショナルで熱心に祈祷してくれるが、スニルはまったく適当。しかも、40Qでお守りを買わないかと祈祷よりも熱心なセールスつき。
スニルのサンシモンの館
よってたかってサンシモンに酒を飲ませたり、たばこを吸わせたり
屋外でも祈祷が行なわれている