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最終更新日 2004/07/23

 エクアドル<その4>

エクアドルぶらぶら2<キト>

街を見守る聖母

エクアドルでまずたまげたこと。夕食のことをmerienda(メリエンダ)と呼ぶ。メリエンダとはスペインでも、旧スペイン領フィリピンでさえも、おやつや間食を指す。スペインおよび旧スペイン領では、一日のうち一番重い食事は昼食で夕食は軽い。スペインではほんの軽くつまむ程度ですます。ちょっと食べるという意味では、おやつも夕食も似たようなものではある。

さらにたまげたこと。食堂のテーブルの上に醤油差しがのっている。においをかいで納得。中味は濃縮コーヒー。運ばれてきたカップにちょっと入れて、お湯やミルクを上から注ぐ。グアテマラ国内で飲むグアテマラコーヒーは、麦茶に砂糖を入れたような代物。できのよいコーヒーはかき集めて根こそぎ輸出するため、国内にはかすしか残らない。コロンビア、ベネズエラは、どこの店で頼んでもうまいコーヒーが出てくる。しかし、濃縮コーヒーを薄めて飲むのは中南米広しと言えどもエクアドルだけ。

ちょっと意外だったのは、サッカーが人気の南米において、エクアドルではバレーボールをしている風景によく出くわした。カブレラとベタジーニの国、ベネズエラは野球が人気だが、それでもエクアドルでバレーをしている人を見かけるほど頻繁には見なかった。サッカーにしてもバレーにしてもひとつのボールでたくさんの人が遊べる貧乏人のスポーツであることに変わりはないのだが、エクアドルのバレー人気にはなにか理由があるのだろうか。

 

エクアドル滞在25日のうち、11日はキトにいた。というより、日本人パッカーのたまり場ホテルスクレにいた。2000年エクアドルの経済が崩壊し、セマナサンタが終わったグアテマラからパッカーはこぞってキトに発ち、この宿に泊まっていた。当時は1泊50円だったが、今は2ドル。4倍だけど、それでも安いことに変わりはない。バニョスやグアヤキルから戻ってくるたびに、誰かが寿司を握っていたり、肉やハモをたれに漬けこんでいたりなんかする。韓国人、中国人、エクアドル人まで入り乱れて、飲むわ、歌うわ、屋上は夜毎の酒池肉林。キトはグアテマラのアンティグアに次いで、スペイン語を習っている日本人が多い。

 

パネシージョの丘

丘からのキトの街並み

ずいぶん以前、「あいのり」でデパガのなっちゃんと広島男児のだいすけがグアテマラで国鳥ケツアールを見るというエピソードがあった。ケツアールを見るまではいい。見ることはたいして難しくはない。問題はその後。ケツアールが飛び去った後に羽が落ちていて、なっちゃんが拾ってそれに「だいすけと一緒に日本に帰れますように」と願をかけるのである。思わずテレビに向かって「そんなわけあるかい!」とつっこみを入れてしまった。で、そのなっちゃんとだいすけがキトの夜景を眺めながら話したのがパネシージョの丘の上なのである。昼間でも歩いていったらてっぺんに着くまでに襲われるっちゅうに、そんな時間に丘でいちゃいちゃなんぞしておったら、もれなく襲われるっちゅうの。「どこ?グアテ!」は非恋愛バラエティにつき、工事現場のごとく安全第一。もちろん丘にはタクシー(2ドル)に乗っていった。余談だがボリビアのコロニア・オキナワで泊まった星川邸の宿帳には、他のメンバーともどもなっちゃんとだいすけの名前が残っていた。

 

教会がいっぱい

エクアドル首都キトの標高は2850メートル。ボリビアのラ・パスよりペルーのクスコよりはるかに低いが、なぜかここがどこよりも堪えた。キトの旧市街もクスコと同じく、世界文化遺産に指定されている。ホテルスクレのどまん前は、サンフランシスコ広場。なんとなくクスコのアルマス広場の趣。2000年キト沈没組から「スクレの前に安くてうまいぶっかけ飯の屋台が出る」と聞かされていたが遭遇できず。「旧市街の路地で向こうから片手にピストル、片手に包丁持った男が歩いてきてあわてて逃げた」という話も聞いていたが、人を殺しに行く途中のやつにはいくらキトでもそう頻繁にお目にかかれるものではない。しかし、トロリーバスで新市街に出かけたら、持っていたベスト型のリュックを切られた。そんなところに金目のものは絶対に入れないので、盗られたのは胃薬だけだったが、切られたことにまったく気がつかなかった。ここまでうまいスリに遭ったのは初めて。まさに名人芸。敵ながらあっぱれ。

 

 

 

サンフランシスコ教会

サンフランシスコ広場

 

 

赤道記念碑 本物は卵が立つ

エクアドルにはその国名のとおり、赤道が通っている。そして、赤道上には赤道記念碑がある。日本語だと赤道記念碑だが、スペイン語直訳だと”世界の半分”。日本語だと赤道だが、スペイン語直訳だと”等分するもの”である。赤道記念碑の下には、赤道を示す黄色い線が走っている。しかし、その赤道は実際と250メートルもずれている偽物なのだ。本物の赤道はやっぱり赤く、そしてその上にはインティニャンという博物館(2ドル)がある。赤道上では体重が軽くなり、卵が立ち、栓を抜いた風呂の水が渦を巻かずにまっすぐ流れ落ちる。北半球と南半球、そして赤道上でやってみせてくれるコリオリの実験がおもしろい。卵は何度か挑戦してみたものの、赤道上でも立たせるのは難しい。インティニャンにはヒバロの首があり、そのつくり方も解説してくれる。ヒバロの首とは、エクアドルのジャングルに住むヒバロ族がつくる干し首のこと。頭蓋骨を外すため、手のひらにのるほど頭が小さく縮んでいる。ヒバロの首は、キトの新市街にあるエクアドル文化センター、クエンカの中央銀行博物館でも見られる。日本にも大阪国立民族学博物館にある。なお赤道記念碑まではパネシージョの丘から出ているバス(0.40ドル)で行った。セントロからもバスがある。

 

 

エクアドルは国名が赤道 250メートルずれている偽物 赤道上では体重が軽くなる こちらが本物

 

エクアドルといえばガラパゴス諸島。行った人の感想は賛否両論。中には「ペルーのミニガラパゴス島で充分」と酷評する人もいる。テレビで見たかぎりでは、ダーウィンの進化論とか生物学に詳しい人なら楽しめそうだけど、そうでなければ物足りないかもと思った。ガラパゴスには陸イグアナと海イグアナがいるのだが、その中間のニュータイプが生まれてきている。しかし、陸だろうが海だろうが両用だろうが、素人目にはあくまでイグアナはイグアナである。食べたらどっちがうまいだろうとは思うが、まさか食べさせてはくれないだろう。イグアナは中米グアテマラとベリーズでさんざん見たし、食べもした。しかも、わざわざガラパゴスまでどんぶら行かなくてもグアヤキルのセミナリオ公園にいっぱいいる。ガラパゴスゾウガメはキトの動物園(3ドル)にいっぱいいる。グアイジャバンバ動物園まではオタバロやイバラ行きを途中下車してさらに徒歩3キロ。ゾウガメにまたがってみたくてたまらなかったのだが、みなさん柵の向こうにお住まいのため断念。またげるものならぜひガラパゴスに行ってみたい。

 

動物園にお住まいのゾウガメのみなさん

 

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