最終更新日 2002/08/02
ところかわれば
<2000・10・13掲載>
10月22日は参議院滋賀県選挙区選出議員補欠選挙だが、まだ住民票を戻して3ヶ月経っていないので選挙権がない。それどころか、しばらく海外に住む予定のない私にはこのメールマガジンへの参加資格さえないのである。この連載のタイトル『住所不定無職日記』も"無職"は正しいが、"住所不定"はすでにあてはまらない。というわけで、中南米在住の新ライターにバトンタッチするまでは、これまでスペインや中米で経験してきたことを元に書くことにする。
日本で1年、そしてスペインの大学で9ヶ月勉強した後の中米だったが、最初は慣れるまで何言われてるんだかぴんとこないことが多かった。スペインにあって中南米にない、あるいは中南米にあってスペインにない動詞の活用形があるし、なによりもスペインと意味の異なる単語がたくさんあるのだ。
たとえば、ウェイトレス。スペインではcamareraだが、中米ではmesera。ジュースは、スペインではzumoかjugoだが、中米ではジュースはjugoのみで、zumoは柑橘類の外皮を押したときに飛ぶ苦い汁のことだ。ケーキにのってるクリームは、スペインではnataだが、中米でnataと言えば牛乳を温めたときに表面にできる薄い膜のことだ。今日の定食は、スペインではmenu del diaだが、メキシコ(ちなみにメキシコは北米だが、私の感覚では中米にカテゴライズしている。)ではcomida corridaだ。
中米と言っても、当然国ごとの違いはある。南米も同様なので、中南米と一言では片づけられない。つくづく言葉は生きているんだなあと思う。
話はそれるが、同じラテン語起源の言葉はよく似ている。ラテン系言語には、スペイン語・フランス語・イタリア語・ポルトガル語・ルーマニア語がある。
たとえば、サッカーのガンバ大阪。スペイン語でgambaは芝エビなので、「なんで芝エビ大阪なんや?」と疑問に思っていたら、イタリア語だった。イタリア語でガンバ(スペルは知らんが)は、足のことなのだそうだ。スペイン語で足はpiernaである。
"Estoy embarazada."スペイン語では普通、"私は妊娠している。"という意味になるが、ポルトガル語では英語の"I am embarrassed."と同様、 "私は困っている。"という意味になるそうだ。
似ているとはいうものの、やっぱり違うのだ。逆に似ているからこそ、その違いを正しく把握するのが難しいよなとテレビのイタリア語講座を見ながら思っている。
昨日、明日からメキシコに行く友達と京都木屋町のメキシコ料理屋で会った。ラパスでダイビング三昧とはうらやましい。これから日本はどんどん寒くなり、私もどんどん憂鬱になる。秋も冬も嫌いだ。ずっと夏が続けばいいのにといつも思う。どうも21世紀は日本で迎えてしまうことになりそうだが、遅くとも春にはまた中南米に戻れるようにがんばれと自分を励ましている。